【健瀧ゼミナール 033】 茶は中国で生まれ 日本で完成された


天心は、茶の様式の各段階に時代精神の反映を観る歴史観は、『東洋の理想』において、芸術や諸文化の発展階段をたどったとき、その各段階に時代精神の反映をみる発想を披露していますが、天心の歴史観もそれを引き継いだものと言えます。

こうした歴史観は、大学時代にフェノロサを通じて学んだドイツの哲学者・ヘーゲルの歴史観を土台にしています。

だから、岡倉天心は論法はヘーゲルの弁証法なのです。

要するにテーゼからアンチテーゼを論じ、ジンテーゼを論じる三段論法で弁証するのです。

この弁証法は、あらゆる弁証法の中でも確信する説得に有効な方法なのです。

そして、こうした多発発展段階の内、天心がもっとも評価し、重要視するのは、ここの現実そのものが理想を実現している段階であり、具体的には中国の宋時代で、日本では室町時代であります。

天心はあまり詳しくは触れていませんが、室町時代には日本の文化史における大変な転換期がありました。

この時期に千利休の師匠の村田浄光から兄弟弟子の今井宗久、そして千利休と茶の湯は完成されたのです。

面白いのは、そこから華道が生まれるのです。


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